2020年9月13日、私はファイナンシャル・プランナー3級試験を受験しました。
この資格を目指したきっかけは、他でもない「胃がん」です。
胃がんと診断されてから、入院、手術、抗がん剤治療、そして長期休職と自宅療養。私の生活は一変しました。その中で気づかされたのは、これまで自分は「お金」や「社会の仕組み」について何も知らなかったということです。知っているつもりでいたけれど、いざ病気になり、保険制度やお金のことが現実となると、どうすればいいのか全くわからず、ただ不安な日々を過ごすばかりでした。
このままではいけない。自分の身は自分で守らなければ。
そう強く思い、保険制度、お金のこと、社会制度、そして胃がんのこと……調べられることは全て調べました。
そして、一つの答えにたどり着きました。 生活に困ったとき、私たちを助けてくれる制度は確かに存在します。しかし、自分から声を上げなければ、誰も助けてはくれないのです。黙っていたら、知らなければ、その制度は活用できません。
「知る」ことは「生きる力」につながります。
私はこの「生きる力」を身につけるために、様々なことを調べ、その知識を活かすためにFP試験の勉強を始めたのです。
当初は2020年5月に受験する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止となり、改めて9月試験に挑戦することになりました。
試験当日、準備は万全です。過去問を解いても合格を狙える手応えを感じていました。
さあ、出発です!
試験会場の大学には、先週下見をしていたのでスムーズに到着……のはずが、会場の案内板に従っていくと、なぜか建物の裏手に出てしまいました。ここからは中に入れません。周りには同じように案内板に惑わされた受験生たちがいました。少し話をして、一緒に引き返し、案内板を無視して正面から会場へ向かいました。
でも、このくらいのトラブルは想定内。開場時間前には到着しました。しかし、今日はこれだけでは終わりません。開場時間になっても、なかなか会場が開きません。入り口前は受験生でごった返しています。おいおい、感染症対策はどうしたんだ……。
9月とは思えないほどの暑さの中、汗をかきながら、私たちは会場が開くのをじっと待ち続けました。予定より遅れて、ようやく試験会場に入ることができました。
やれやれ、試験が始まる前にすっかり疲れてしまいました。それでも、ここからは集中です。席に着き、気持ちを落ち着かせて試験に臨みました。
そして翌月、合格発表日を迎えました。 インターネットで自分の受験番号を入力して……「合格」の文字を見つけた瞬間、嬉しさで胸がいっぱいになりました。
FP3級試験の合格。新しい人生のスタートを切ったような気がします。
病気になって、私は多くのものを失いました。 でも、その分、たくさんのことを学び、得ることができました。
次はFP2級に挑戦します。





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