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胃がん闘病記 2019年6月「手術後」

胃がん闘病記

目覚め、そして過酷な24時間

手術から目が覚めると、両親の姿が視界に入りました。

「ああ、無事に終わったんだ……」

その瞬間、安堵の気持ちで胸がいっぱいになりました。

手術後、私はHCU(ハイケアユニット・高度治療室)で24時間の経過観察を受けることになりました。この24時間が、これから始まる長い闘病生活の中で、私の忍耐力が試される時間になるとは思いもしませんでした。

体に繋がれた様々な管や機器の重み。酸素マスク、血圧計、点滴、そして腹部ドレーンや尿管カテーテルなど……まるで、ロボットになったかのように身動きがとれません。絶対安静の指示のもと、ただ横たわっていることしか許されませんでした。

  • 体の痛み: ずっと同じ体勢でいるため、首、肩、腰がひどく痛みます。「寝返りを打ちたい!」「起き上がりたい!」「背伸びしたい!」と心の中で叫びましたが、どうすることもできません。
  • 麻酔からの痛み: 麻酔が覚めてくると、手術の傷口が痛み始めました。それに加えて、腹筋が激しく痙攣し、まるで傷口が開いてしまうのではないかと恐怖を感じるほどでした。
  • 眠れない夜: 目に映るのは無機質な病室の天井。耳に聞こえるのは医療機器の電子音だけ。気持ちの高ぶりもあり、一睡もできませんでした。人生で、こんなにも時間が経つのが遅く感じたことはありません。

リハビリの始まり、そして希望

24時間後、ようやく看護師さんの手伝いを借りて、起き上がることができました。

その後の歩行訓練は、思った以上に大変なものでした。ベッドから起き上がり、歩き、またベッドに戻る。たったこれだけの動作に、とてつもない時間がかかりました。体が鉛のように重く、腹筋の痛みが全身を襲います。ただ立っているだけで、精一杯でした。

それでも、何とか歩いて一般病棟に戻ることができました。たった1日空けただけなのに、手術前の病室はなんだかすごく久しぶりに感じました。

ここから、本格的なリハビリが始まります。日を追うごとに、少しずつではありますが、体が回復していくのを実感することができました。


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