ステージⅡB:予想外の診断
退院から1週間後、検査結果を聞くために病院へ向かいました。手術で取り除いた胃の組織を詳しく調べて、最終的ながんのステージが確定する大切な日です。
診察室で医師から告げられた言葉は、全く予想していなかったものでした。
「胃がんのステージはⅡBです。思った以上に進行していました。胃がんが胃の外側まで出ていました。リンパ節への転移は見られませんでしたが、転移していないとは言い切れません。再発防止のため、術後補助化学療法として抗がん剤治療を行います」
「・・・」
頭が真っ白になりました。早期がんじゃなかったの? 進行? 転移? そして、まさかの抗がん剤……。
抗がん剤治療という選択
転移、抗がん剤。言葉ひとつひとつが重く、その場で状況を理解するのも難しいほど混乱しました。医師は、再発を防ぐための2つの治療法を提示しました。
① ティーエスワン内服 毎日2回、飲み薬を服用する治療法です。4週間服用して2週間休薬、これを1年間続けます。吐き気、食欲不振、口内炎、発疹、下痢などの副作用がありますが、個人差が大きいとのことでした。
② カペオックス療法 点滴と飲み薬を組み合わせた治療法です。初日に点滴を行い、その後2週間飲み薬を服用し、1週間休みます。これを半年間繰り返します。食欲不振、吐き気、脱毛、末梢神経障害などが主な副作用だそうです。
「どちらにしますか?」と問われても、すぐに決められる精神状態ではありませんでした。いったん持ち帰り、1週間後の診察で返事をすることになりました。
家に帰り、一人でいるのがつらくなり、実家に戻ることにしました。少し落ち着いて、これからどうすべきか、じっくり調べようと思います。

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