救急搬送、そして1週間の入院
2019年4月、私は救急病院に運ばれました。
そこからの1週間は、絶対安静。食事はもちろん、水分すら摂ることを許されず、点滴だけで過ごしました。点滴だけで大丈夫かと不安に思いましたが、不思議と喉も乾かず、食欲も全く湧きませんでした。
会社には「胃潰瘍で入院」と連絡を入れました。準備もしていなかったので、都内に住む兄弟に連絡し、入院手続きの保証人や着替えの準備、そして血痕で事件現場のようになっていたらしい部屋の片づけをお願いしました。近くに住む兄弟の存在は、本当に頼りになります。
数日後には両親も見舞いに来てくれました。 「ごめんね、せっかくのゴールデンウィークなのに」
そうです、世間は平成から令和へ、お祭り騒ぎの最中。病院内は一時帰宅する人が多く、とても閑散としていました。 私の人生における平成から令和への瞬間は、病院のベッドの上で迎えました。
人生を一変させた日
2019年5月4日、無事に退院しました。しかし、本当の戦いはここからでした。
退院から2週間後の2019年5月17日。
入院時に採取した胃の検体の検査結果を聞きに、再び救急病院を訪れました。そこで告げられた言葉が、私の人生を大きく変えることになります。
「胃がんの疑いがあります。すぐに専門病院に行ってください。」
「え、胃がん?」
信じられず、先生に尋ねました。 「先生、どうすればいいですか?」
先生は淡々と答えました。 「ここではこれ以上対処できません。専門病院に行ってください」
頭が真っ白になりました。 気がつけば、私は病院の外にいました。宛先の書いていない紹介状を、ただただ握りしめていました。
どうしよう・・・とにかく専門病院に行かなきゃ。でも、どこに行けばいいの?
そのとき、昨年、扁桃腺の手術を受けた病院を思い出しました。 「あの病院は大きかったな。診察券もあるし、とりあえず行ってみよう。」
私が向かった先は「国立国際医療研究センター病院」でした。

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