抗がん剤治療の選択:ティーエスワン
病院からの帰り道、頭の中は抗がん剤治療のことでいっぱいでした。2つの治療法について、家に帰ってからすぐに調べ始めました。
ティーエスワンは、服用しながら仕事をしている人もいると聞き、比較的副作用が少ない一般的な治療法だと分かりました。
一方、カペオックスは短期間で終わる利点があるものの、まれに末梢神経障害が長引くことがあると知り、それが少し気になりました。
1週間後、私はティーエスワンで治療を進めることを決めて、再び病院へ。改めて副作用についての説明を受け、いざという時のための薬も処方してもらいました。副作用の出方には個人差があることを再度確認し、気持ちを奮い立たせました。
「よし、頑張るぞ!」と心の中で強く誓いました。
治療開始:予期せぬ副作用
2019年7月5日、抗がん剤治療がスタートしました。
何が起こるか分からなかったので、しばらくは一人暮らしをやめて実家で療養することにしました。治療は朝晩食後に2錠ずつ服用し、4週間続けて2週間休薬します。これを1年間続けます。
飲み始めて最初の数日は何の変化もありませんでした。 「うん、これなら1年間乗り越えられそうだ」と少し安心した7日目。貧血で倒れてしまいました。担当医から手術後は鉄分が不足すると言われていましたが、副作用ではないだろうと思っていました。
しかし、8日目についに変化が訪れました。
- 倦怠感:とにかく体が重く、横になる時間が増えました。
- 腹痛・下痢:これが一番つらかったです。いつ症状が出るか分からず、外出するのが怖くなりました。
- 口内炎:頻繁にできましたが、処方された薬でなんとか対処しました。
- 発疹:全身にできましたが、特に頭皮の発疹がひどかったです。これも塗り薬で対応しました。
- 食欲不振:前日まで問題なく食べられても、体が突然食事を拒否することがあり、食べるのが怖くなりました。
8日目以降は、休薬に入るまで副作用に悩まされ続けました。朝起きるたびに、「今日も薬の副作用が出るのか」と思うと気持ちが沈み、食事やリハビリをする気も失せました。
4週間の服薬を終え、ようやく2週間の休薬期間に入ると、副作用は徐々に収まり、心からホッとしました。
でも、これが1年間続くのか……。仕事はどうするべきか、実家での療養生活もどうなるのか。今後のことを考えると、不安が募るばかりでした。

コメント