FP3級試験対策として、過去5回分の試験問題から各分野ごとの頻出論点を解説します。
今回はライフプランニングと資金計画です。
6つの係数
出題頻度☆☆☆☆☆
必ず出題されます。
6つの係数を使った計算問題が出題されますので、過去問を解いて計算に慣れておきましょう。
①と②、③と④、⑤と⑥はセットで覚えましょう。
①終価係数(将来の金額) ⇔ ②現価係数(現在の金額)
③年金終価係数(将来の積立金額) ⇔ ④減債基金係数(毎年の積立金額)
⑤資本回収係数(毎年の取り崩し金額) ⇔ ⑥年金現価係数(必要な元本)
国民年金の免除と猶予
出題頻度☆☆☆☆☆
国民年金は出題頻度が高いです。今回は国民年金の免除と猶予をまとめました。
対象者 | 免除・猶予 | 受給資格期間 への算入 | 年金額への 反映 | |
法廷免除 | 障害年金や生活保護を 受けている人 | 保険料納付が全額免除 | 〇 | 〇(一部) |
申請免除 | 年金を収めるのが経済的 に困難な人 | 保険料納付が免除 (全額・3/4・1/2・1/4 の4段階) | 〇 | 〇(一部) |
産前産後期間の 免除制度 | 第1号被保険者 | 産前産後期間(出産予定日の 前月から4か月間)全額免除 | 〇 | 〇(全額) |
学生納付特例制度 | 本人の所得が一定以下 の学生 | 在学中の保険料納付が猶予 | 〇 | × (追納が必要) |
納付猶予制度 | 20歳から50歳未満で 本人、配偶者の前年所得 が一定以下の人 | 保険料納付が猶予 | 〇 | × (追納が必要) |
免除、猶予を受けた場合、10年以内なら追納(後から収める)が可能です。
似た用語で滞納があります。
滞納は納め忘れですので、2年以内分しか支払うことができません。
老齢給付の繰り上げ・繰り下げ
出題頻度☆☆☆☆☆
老齢給付の繰り上げ・繰り下げは出題頻度が高いです。
計算問題が出題されることもありますので、過去問を解いて計算に慣れておきましょう。
老齢給付の繰り上げ(年金を早く受給)
「繰り上げた月数 × 0.5%」
が老齢給付から減額
老齢給付の繰り下げ(年金を遅く受給)
「繰り下げた月数 × 0.7%」
が老齢給付に加算
繰り上げは老齢基礎年金、老齢厚生年金を同時に行わなければなりません。
繰り下げは老齢基礎年金、老齢厚生年金を別々に行うことができます。
教育ローン・奨学金
出題頻度☆☆☆☆
出題頻度が高いです。
要件をしっかり押さえましょう。
教育ローン(国の教育ローン)
融資限度額・・・学生一人につき350万円(一定要件に該当する場合は450万円)
金利・・・固定金利
返済期間・・・最長15年間
使用用途・・・入学金、授業料、定期代、家賃、パソコン購入費など幅広く活用できる
奨学金(日本学生支援機構)
・貸与型
対象者 | 利息 | |
第一種奨学金 | 特に優れた学生及び生徒で 経済的理由により著しく修学困難な人 | 無利息 |
第二種奨学金 | 第一種奨学金よりゆるやかな基準 によって選考された人 | 利息付 (在学中は無利息) |
・給付型
2020年4月から「高等教育の就学支援制度」がスタートしました。
一定の要件を満たした学校が対象で、
①入学金、授業料の減額または免除(各学校が行う)
②給付型奨学金の支給(日本学生支援機構が行う)
の支援が受けられます。
退職者及び高齢者向け公的医療制度
出題頻度☆☆☆
よく出題されます。
日本は国民皆保険制度で、日本国民は複数ある公的医療保険のどれかに加入しています。
退職者向け公的医療制度
会社を退職後、再就職をしない場合は何らかの公的医療保険に加入しなければなりません。
退職者向けには次の3つの公的医療保険が考えられます。
高齢者向け公的医療制度
75歳以上(65歳以上で障害のある人)になると、全ての人が「後期高齢者医療制度」に移行します。
自己負担は1割(一定以上の所得がある人は3割)
保険料は年金天引き、もしくは納付書等で納めます。
クレジットカードの支払い方法と総量規制
出題頻度☆☆
出題頻度はあまり高くありませんが、近年のキャッシュレスの動向から押さえておきたいポイントです。
クレジットカードの支払い方法
一括払い | カード払いした代金が一括で引き落とされる。 | 手数料はかからない |
分割払い | カード払いした代金を何度かに分けて支払う。 | 手数料がかかる |
リボルビング | あらかじめ決めた一定金額を毎月支払う。 | 手数料がかかる |
総量規制
総量規制とは、貸金業者から借り入れる場合の「借入総額」について定めたルールです。
借入可能額の合計は年収の1/3までです。(※年収です。可処分所得や総所得金額ではありません。)
不動産や自動車を購入するローンは総量規制の対象外です。
また銀行は貸金業者ではないので銀行ローンも対象外です。
頻出論点の解説は以上です。
2021年9月 FP3級試験概要は以下を参照してください。
FP3級試験は出題範囲が広く難しく感じるかもしれませんが、要点を抑えれば合格できます。
しっかり勉強して合格を目指しましょう!
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