2021年9月 FP3級試験対策として、過去5回分の試験問題から頻出論点を解説します。
今回は「タックスプランニング」です。
青色申告
出題頻度☆☆☆☆
頻繁に出題されます。
青色申告は確定申告の種類の一つです。
青色申告できる所得は、
- 不動産所得(アパートや駐車場など賃貸収入がある人)
- 事業所得(商売をしている人)
- 山林所得
手続きは、適用を受けようとする年の3/15までに(新たに業務を始める人は、開業から2か月以内)所轄の税務署に「青色申告承認申請書」を提出します。
青色申告の特典は、
①青色申告特別控除
青色申告によって一定金額が所得税から控除されます。
55万円控除・・・事業所得もしくは事業的規模の不動産所得が対象。「正規の簿記の原則」に従って記帳し、定められた帳票を提出した場合に控除。
65万円控除・・・上記の申告を「e-tax」または電子帳簿保存を行った場合に控除。
10万円控除・・・上記以外で申告した場合に控除。
②青色事業専従者給与の経費算入
事業主が専従者に給与を支払った場合、適正額が経費に算入できます。
③純損失の繰越控除、繰戻還付
その年の所得が赤字の場合、赤字金額を翌年以降3年間にわたって黒字金額から控除できます。前年も青色申告しているなら、前年に繰戻して前年分の所得税の還付を受けることもできます。
※事業的規模の不動産所得とは、貸家なら5棟以上、アパートなら10室以上のことです。
確定申告・準確定申告
出題頻度☆☆☆☆
頻繁に出題されます。
確定申告とは、1年間の所得税額を計算し申告することです。
確定申告の期限は2/16から3/15です。
確定申告が必要な人は、
- 給与が2,000万円以上の人
- 2か所以上から給与をもらっている人
- 給与以外の所得金額が20万円以上の人
- 医療費控除、寄付金控除、配当控除、雑損控除の適用を受ける人
- 住宅ローン控除の適用を受ける人(初年度のみ)
また、確定申告に該当する人が亡くなった場合、相続人が生前の所得について確定申告を行います。
これを「準確定申告」といいます。
期限は相続の開始があることを知った日(通常は死亡日)から4か月以内です。
一時所得
出題頻度☆☆☆
よく出題されます。
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得です。
例としては、
- 懸賞や福引の賞金
- 競馬や競輪の払戻金
- 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等
- 遺失物拾得者が受け取る報労金等
があります。
一時所得の計算方法は、
総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
です。
総所得金額に算入する金額は、
一時所得の金額×1/2=総所得金額に算入する金額
です。
※試験では「一時所得の金額」を問われているのか、「総所得金額に算入する金額」を問われているのか、よく問題文を確認しましょう。間違いやすいポイントです。
損益通算ができる所得、できない所得
出題頻度☆☆☆
よく出題されます。
損益通算とは、利益と損失を相殺することです。
損益通算できる所得は、
- 不動産所得
- 事業所得
- 山林所得
- 譲渡所得
です。
ただし、
- 不動産所得の土地を取得するための借入金の利子
- 譲渡所得の生活に必要でない資産の譲渡損失
- 譲渡所得の株式等の譲渡損失
は損益通算できません。
医療費控除
出題頻度☆☆☆
よく出題されます。
医療費控除とは、本人と生計を一にする家族が1年間に支払った医療費が一定金額を超えた場合、控除が受けられる制度です。
計算方法は、
支出した医療費-保険金等の給付金-10万円=医療費控除額(上限200万円)
です。総所得金額が200万円未満の場合は、「10万円」ではなく、「総所得金額×5%」になります。
また医療費は支払った年に計算されますので、未払い医療費は計算外です。
医療費の対象となるのは、
- 病院での診察費、治療費、入院費
- 処方箋による医薬品の購入費
- 通院に必要な交通費
- 出産費用
- 人間ドック、健康診断費
(重大な疾病が見つかり治療につながった場合)
などです。
医療費の対象とならないのは、
- 美容整形費用
- ビタミン剤やサプリメント
- マイカー通院のガソリン代や駐車場代
- 自己都合の差額ベッド代
- 人間ドッグ、健康診断費
(重大な疾病が見つからず治療とは関係ない場合)
です。
※医療費控除は計算問題も出題されます。過去問で計算問題に慣れておきましょう。
住宅借入金等特別控除
出題頻度☆☆☆
よく出題されます。
2021年度税制改正により、住宅借入金等特別控除が延長、拡充されました。
新型感染症の影響もあり適用要件が細かくなっていますので、今回は試験に合わせたポイントをまとめます。
<適用要件>
・返済期限が10年以上の住宅ローン
・住宅の床面積が50㎡以上(特例は40㎡以上50㎡未満)
・床面積の1/2以上が居住用であること
・控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下(特例は1,000万円以下)
<控除額、控除期間>
・控除額は年末の住宅ローン残高の1%
・控除期限は10年間(特例は13年間)
※数字が多いですが頑張って覚えましょう。
頻出論点の解説は以上です。
2021年9月 FP3級試験の概要は以下を確認してください。
FP3級試験は覚える数字も多く大変だと思いますが、生活に役立つ知識が多いです。
頑張って勉強して合格を目指しましょう。
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