私は43の時に胃がんを患いました。
病気の事、治療の事、お金の事、不安はたくさんありましたが「がん治療後」の事も不安でした。
最も大きな事は
「がん」になると住宅ローンが組めない❗❓
事です。
でも本当に住宅ローンが組めないのでしょうか。
今回は「がん」と「住宅ローン」の関係と住宅ローンを組む方法を解説します。
住宅ローンを組むためには
まず民間の銀行で住宅ローンを組むために必要な事があります。
それは団体信用生命保険(団信)に加入することです。
団信とは、住宅ローン返済中に加入者に万が一のことがあった場合、残りの住宅ローンがゼロになる保険のことです。
住宅ローンのように高額で長期間の借入の場合、返済中に何があるかわかりません。
もしもの場合、団信に加入していれば残された家族は住宅ローンを気にすることなく家に住み続けることができます。
でも団信に加入していなかったら・・・残された家族に住宅ローンが負債として重くのしかかります。
そのため民間の銀行で住宅ローンを組むためには団信加入がほぼ必須となっています。
「がん」になったら団信に加入できないの?
団信は保険ですので、事前告知が必要です。
1.最近3ヶ月以内に医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか。
2.過去3年以内に下期に該当する病気で手術を受けたこと、または2週間以上にわたって医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか。
●狭心症、心筋こうそく、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、先天性心臓病
●脳卒中(脳出血・脳こうそく・くも膜下出血)、脳動脈硬化症
●高血圧症、糖尿病、こうげん病、リウマチ、貧血症、紫斑病
●慢性気管支炎、ぜんそく、肺結核、気管支拡張症、肺気腫
●胃かいよう、十二指腸かいよう、かいよう性大腸炎、すい臓炎、クローン病
●肝炎、肝硬変、肝機能障害
●腎炎、ネフローゼ、腎不全
●緑内障、網膜の病気、角膜の病気
●ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ
●精神病、神経症、総合失調症、てんかん、うつ病、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
●子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫
3.手・足の欠損または機能に障害がありますか。または脊骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか。
上記は告知質問例ですが、「3年以内のがん」が告知対象に含まれ、該当すると団信に加入できません。
そのため住宅購入を検討している時に「がん」になってしまうと団信に加入できず、住宅ローンを組むことが出来なくなります。
また「がん」の治療は長期になる場合があります。
手術、投薬治療、経過観察、全てが終了し3年経過すれば団信に加入できますが、ライフプランの大幅な変更は避けられません。
がん患者のための住宅ローン対策
では「がん」になったら住宅ローンは諦めなければいけないのでしょうか。
そんな事はありません。
「フラット35」を検討する
「フラット35」は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。
こちらは団信への加入は必須ではないので、「がん」になっても住宅ローンを借りることはできます。
ただし住宅ローンは高額で長期間の借り入れです。
もしもの場合を考え借入額は無理のない範囲で、慎重に検討することをおすすめします。
配偶者を住宅ローン契約者とする
最近は夫婦共働きも珍しくありません。
そこで配偶者を住宅ローン契約者とし、団信に加入し住宅ローンを組みます。
もちろん収入が違えば借入可能額も違ってきます。
場合によっては購入希望住宅の変更もあるかもしれませんが、団信に加入できますので万が一の保証も付いてきます。
住宅ローンの時期を見直す
ライフプランの変更を伴いますが、治療終了後3年経過してから団信に加入し住宅ローンを組みます。
借り入れ開始時期は遅くなりますが、その分を貯蓄期間に当て、住宅購入の頭金にするなど有効活用してきましょう。
「がん」になっても諦めないで!
「がん」になると様々な制約がかかります。
仕事、生活、保険、そして住宅ローン・・・思い描いていた未来とは違ってくるかもしれません。
でも何一つ諦める必要はありません❗
今できること、これからやりたいことを見つめ直し、必要であれば専門家に相談しながら新しいライフプランを描いてください。
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