私が胃がんで療養していた頃、
「収入ってどうなってるの?」
「暮らしていけるの?」
「俺も保険入ったほうがいいかな?」とよく聞かれました。
収入が無いと当然ですが生活が安定しません。
安心して療養生活を送るためには安定した収入が必要です。今回は療養生活には欠かせない傷病手当金について解説します。
傷病手当金とは
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
引用元:協会けんぽHP
傷病手当金は療養中の生活保障のための制度です。安心して療養するために制度の内容をきちんと押さえてください。
厚生労働省の資料によりますと、傷病手当金の総支払額はここ数年増加傾向にあり平均支給期間は164日と長期にわたります。
また年齢別に見ますと、働き盛りの40歳~44歳で傷病手当金を受給した人の傷病第一位が「精神および行動の障害」(40.78%)です。
同世代の私としては切ない数字です。
傷病手当金の要件
支給条件
①業務外の病気、ケガが理由。
②仕事に就くことができない。
③休業中の給料の支払いが無い、もしくは傷病手当金以下である。
④連続して3日間休み(待機期間)
、4日目以降も仕事に就くことができない。
以上①~④の全てが揃うと傷病手当金が支給されます。
なお
①ですが、業務内の病気、ケガは労災保険で補償されます。業務外でも美容整形など保険外の療養は対象外です。
④の待期期間の考えは次の通りです。
支給期間
待機期間後、支給開始日から最長1年6か月です。
途中復帰しても期間の延長はありません。
支給金額
1日につき(直近12か月の標準報酬月額の平均÷30日×2/3)が支給されます。
ざっくり言いますと休む前1年間の平均月給の2/3が支給されます。ボーナスは計算されません。
申請方法
申請書類は
①本人記入書類
②会社記入書類
③担当医師記入書類
です。申請サイクルに決まりはありませんので、会社と病院と話し合い提出サイクルを決めてください。提出先は加入している健康保険です。
私の場合は2か月サイクルで書類を作成し提出しました。
注意点
傷病手当金受給中の退職
病気がよくならず傷病手当金受給中にやむなく退職、ということも考えられます。
この場合退職後も受給できるのでしょうか?
①退職日まで継続して1年間以上被保険者だった(任意継続被保険者期間を除く)
②退職日に傷病手当金を受給している。
③退職日に傷病手当金の支給要件を満たしている。
①~③の条件を満たしていれば残りの期間も受給できます。
ここで本当に気を付けてほしい事があります。
もし退職日に出勤し給与が支払われると②③の条件を満たさなくなります。
ですから
退職日には絶対出勤しないでください。
傷病手当金と他の給付金
傷病手当金受給中に他の給付金(出産手当金、休業補償、年金等)を受給する場合、併給調整で傷病手当金が支給停止になる場合があります。
病気の再発
傷病手当金の支給開始日から1年6ヶ月間です。
この間であれば復職後再発しても再度支給を受けることができます。
また支給期間を経過した後については、個別の症状と医師の診察、加入している健康保険によって変わってきますので確認が必要です。
傷病手当金は生活保障
傷病手当金は療養中の私たちの生活を支えてくれます。
私は胃がん手術の後抗がん剤治療が1年間続きましたので、傷病手当金を1年間受給し治療に専念しました。
もし傷病手当金がなかったら・・・とても1年間療養に専念できなかったと思います。
他にも高額療養費制度、限度額適用認定証と私たちを支える制度はあります。
家族構成によっては傷病手当金だけでは生活が難しいかもしれません。不足する部分を民間の保険で対応するように考えれば、無駄なく保険に加入することができます。
安心して療養するために、傷病手当金の制度内容は確認しておきましょう。
(出典)
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